希少な黒色の印材:楚石

「楚石(そせき)」とは、中国の湖南省から産出される石であり、印鑑の印材の中でも、石材と呼ばれるものです。 サイズの割には重く、更に重さを感じさせる重厚な黒色をしていますが、この黒色は緑色が濃くなったものであり、よく見るとかすかに緑がかっていることを確認できます。また、別名では墨晶石とよばれる希少な墨色印章でもあります。 現在では採れる鉱脈が閉鎖されているという噂もあり、その価値は上がってきています。

黒色の石材は珍しいため、黒ければ楚石かと言えばそうではなく、まがいものも多ければ、見分けもまたつけにくいため、厄介でもあります。

日本では象牙などといった動物由来の印材が親しまれていますが、中国ではこういった石材の印材が広く親しまれています。
その魅力は長い年月をかけて形成された宝石のような天然石たちの、一口に石と言っても触り心地すら千差万別で、ひとつとして同じものはない色とりどりの表情だったりが大きいことでしょう。
そのためか、石材においては、その楽しみ方が非常に幅広くなっています。
印鑑として彫る楽しみ・その石の表情を目で見る楽しみ・彫られた文字や繊細な彫刻を見る楽しみ・手で撫でて触れる楽しみなど。

日本では実用品としてばかり見られている印鑑のため、あまり馴染みがないかもしれませんが、特に手で愛でるといった手択(しゅたく)と呼ばれる楽しみ方は中国では古くからされていることであり、永く伝わってきている印材などではすでにその彫刻が摩耗して薄れてしまっているなんてことも少なくはないそうです。

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